昭和病院小児科・後期研修プログラム

H18.9.1.

【理念】

卒後初期研修修了者を対象とし、小児医療についての基礎的かつ幅広い臨床能力を修得するとともに、小児科専門医の資格を取得するための基礎を作る。

 

【指導医】

尾崎隆男(感染症)、西村直子(新生児)、牛田 肇(循環器)、小山慎郎(血液)の他、非常勤医師として近藤容子(神経)、小川貴久(循環器)、矢崎雄彦(腎臓)により、それぞれの専門分野だけでなく、小児科一般についての幅広い指導を行う。

 

【診療実績】

感染症を中心とする急性疾患や救急処置を必要とする患児に加え、長期入院の必要な慢性疾患患児(ネフローゼ症候群、慢性腎炎、紫斑病、内分泌疾患、炎症性腸疾患、心身症など)も数多く入院するため、小児科の主要疾患を効率的に経験することができる。

1)平成17年度昭和病院小児科・診療実績

入院延患者数            16,706

外来延患者数            36,038

時間外救急患者数        6,686(入院632

2)平成17年度昭和病院小児病棟・診療実績

病床数                  51NICU 3

入院患者数              2,081NICU 38

入院延患者数            17,013

病床回転率              91.1

3)平成17年度昭和病院院内学級・入級者数

たんぽぽ学級(古知野南小学校)  14名(15/月:平均2.9/月)担任教諭1

昭和学級(古知野中学校)        15名(15/月:平均3.4/月)担任教諭1

4)小児心身症外来(臨床心理士:月、水、木、金、9:00-17:00

平均4/日(カウンセリング時間・約1時間/1名)

5)その他の昭和病院小児科専門外来

心臓外来、腎臓外来、アレルギー外来、神経外来、予防接種外来、海外渡航者予防接種外来、低身長外来、乳児健診、NICU外来

 

【一般目標】

地域中核病院小児科の一員として安心と信頼の医療を提供するために、人間性豊かな診療態度を身につけ、基礎的かつ幅広い臨床能力を修得する。さらに、将来の専門医資格取得に備える。

 

【行動目標】

1.専門医資格取得のために定められた各分野の症例数を経験する。

2.小児診療に必要な診断能力と治療法を修得する。

1)保護者から、主訴、既往歴、家族歴、現病歴などについて正確に要領よく聴取できる。

2)小児の正常な身体発育、発達を理解し評価ができ、乳幼児健診を行なうことができる。

3)小児の基本的な身体所見の把握が正確にできる。

4)感染性発疹症の鑑別ができ、適切な対応ができる。

5)緊急性の高い疾患を鑑別し、迅速かつ適切な対応ができる。

6)入院治療が必要かどうかを判断し、重症度を見分けることができる。

7)主要な小児疾患について正しい知識を持ち、診断・治療計画を立て主体的に診療できる。

8)未熟児・新生児の初期治療とその後の全身管理を実践できる。

9)各年齢の一般的な臨床検査の正常値を知り、その臨床検査成績を正しく評価できる。

10)小児の胸部、腹部単純レントゲン写真を指示し、その結果を正しく読影できる。

11)小児の頭部CTMRIを指示し、その結果を正しく読影できる。

12)小児心電図の判読ができる。

13)脳波を読むことができる。

14)腎機能検査の意義と方法を理解し、結果を評価できる。

15)小児の薬用量、輸液の基本的知識を持ち、正しい薬剤処方や輸液療法ができる。

16)予防接種に対する正しい知識を持ち実施できる。

17)指導医や上級医に適切なタイミングでコンサルトすることができる。

3.小児のプライマリーケアに必要な手技と検査に習熟する。

1)小児の静脈採血、動脈採血ができる。

2)静脈注射、皮下注射、筋肉注射ができる。

3)一般小児および未熟児・新生児の血管確保ができる。

4)気管内挿管を含む気道確保を正確にすることができる。

5)胃洗浄ができる。

6)髄液検査の適応を判断し、腰椎穿刺ができる。

7)骨髄穿刺ができる。

8)腸重積の整復ができる。

9)超音波検査(心臓、腹部、頭部)を行なうことができる。

10IVPVCGを行なうことができる。

4.患児・家族との対応能力を身に付け、好ましい信頼関係を築くことができる。

5.チーム医療のリーダーとしての行動力を備え、他の医療従事者を指導することができる。

6.後進の医師に対して日常的に指導・評価を行うことができる。

7.臨床研究の基礎を学ぶ。

 

【主な実施項目】          

1.一般外来患者の診療を行う。

2.専門外来で指導医の指導のもとに、心臓超音波検査、心電図や脳波の読み方などを修得する。

3.入院患者を主治医チームの一員として担当し、診療する

4.NICU患者の処置、診療を上級医とともに行う。

5.救急および休日時間外診療を担当する。

6.経験した症例を規定の用紙に症例要約としてまとめ、指導医の評価を受ける。

7.部長回診時に入院患者の症例提示をする。

8.症例検討会(毎週火曜日、午後5時)で症例提示、討議をする。

9.抄読会(毎週火曜日、症例検討会終了後)に参加し、小児科関連英語論文を読む。

10.学会または研究会発表、論文発表を行う。

 

【週間スケジュール例】

 

午前

病棟回診

病棟処置

一般外来

NICU

一般外来

病棟回診

午後

特殊外来

予防接種

乳児健診

病棟当番

病棟検査

部長回診

 

夕刻

 

症例検討会

抄読会

 

 

 

 

 

【評価】

1.各症例の問題点を指導医や上級医にコンサルトできたかについて3ヵ月毎に評価する。

2.小児科専門医臨床研修手帳を活用し、自己評価する。

 

【別に定める事項】

1.主治医として担当すべき入院患者の疾患分野と患者数 

   先天性疾患 未熟児・新生児 呼吸器 循環器 消化器 腎・泌尿器 中枢神経 精神

内分泌 代謝・栄養 免疫・アレルギー 感染症 血液  各々2例以上

2.目標とすべき学会または研究会発表回数 2回/年

3.目標とすべき論文数 1編/年